はじめに – アルマイトの輝き
昭和の学校給食といえば、アルマイトの食器が印象的でした。脱脂粉乳から始まった給食の歴史は、子どもたちの成長と共に歩んできました。コッペパンに牛乳、そしてカレーライスやソフト麺など、当時の給食メニューには特別な思い出があります。
給食の時間 – 待ち遠しい昼休み
4時間目が終わると、給食の準備が始まります。当番の子どもたちが白衣を着て、給食室まで取りに行きました。重い食缶を運ぶのも、みんなで協力する大切な時間でした。配膳の順番を待ちながら、今日のメニューを予想するのも楽しみの一つでした。教室に漂う給食の香りで、その日のメニューを当てることもできました。
懐かしい給食メニュー – あの味忘れない
揚げパン、ソフト麺、わかめごはん。昭和の給食メニューは、シンプルながらも愛情がこもっていました。クジラの竜田揚げや、レバーの甘煮など、今では珍しいメニューもありました。好き嫌いはあっても、みんなで同じものを食べる一体感がありました。ミルメークを牛乳に入れる時の特別感も忘れられません。
脱脂粉乳の思い出 – 戦後復興の象徴
昭和30年代の給食といえば脱脂粉乳でした。独特の味に顔をしかめる子どもも多かったですが、成長期の栄養補給として重要な役割を果たしていました。その後牛乳に変わった時の喜びは格別でした。時代と共に変化する給食の歴史を感じます。温めた脱脂粉乳の上にできる膜を取り除くのも、給食の儀式の一つでした。
教室での思い出 – みんなで食べる楽しさ
教室で机を寄せ合って食べる給食は、家庭とは違った特別な時間でした。友達との会話を楽しみながら、時には嫌いなおかずを交換したりしました。完食できた時の達成感や、残してしまった時の申し訳ない気持ちも、今となっては大切な思い出です。苦手な食べ物に挑戦する勇気も、給食を通じて学びました。
給食当番の思い出 – 責任感を学ぶ
給食当番は子どもたちにとって重要な役割でした。配膳の公平性を考えながら、友達に給食を配る責任感を学びました。エプロンと三角巾を身に着けた姿は、ちょっとした誇らしさを感じさせてくれました。協力することの大切さを教えてくれた時間でした。
食育の原点 – 感謝の心を育む
「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶から始まる給食の時間は、食への感謝を学ぶ場でもありました。作ってくれた人への感謝、食材への感謝。現代の食育の原点がそこにありました。好き嫌いをなくそうと頑張った経験も、成長の一部だったのです。
おわりに – 学校給食への感謝
昭和の学校給食は、単なる昼食ではなく、子どもたちの心と体を育む大切な時間でした。栄養バランスを考えた献立、みんなで食べる楽しさ、食への感謝の心。これらすべてが詰まった給食の時間は、人生の宝物です。給食を通じて学んだことは、今でも私たちの心に生き続けています。